ニキビが気になる肌の
メイクアップ

「今あるニキビを隠したい」そう思う方は多いのではないでしょうか。
でもちょっと待って。自己流ではニキビを悪化させてしまうことも。
ニキビが気にならない、正しい方法をこばやし皮膚科クリニック 副院長 小林美和先生に教えていただきました。

2024.02.27

  • 美肌解説

    • メイク用品はノンコメドジェニックテスト済みのものを

      前提として、ニキビができにくいことを試験で確認した「ノンコメドジェニックテスト済み」表示のあるものを選びましょう。一方、ポイント使いの口紅やアイブロウ、アイシャドウなどはニキビができにくい部位に使用するため、好きなものを選んでいただけます。

      特にポイントメイクは他人の目線をニキビから逸らす効果があり、普段メイクをしない方にもおすすめです。
      この時、刺激の無い、清潔な道具を使うことも重要です。

      ※すべての方にニキビができないわけではありません。

    • メイクアップの手順

      洗顔後、保湿ケアを行った清潔な肌にメイクアップを行います。
      日やけ止めや化粧下地で肌を整えた後、肌の色と質感を整えるため、ファンデーションを重ねます。必要であればフェイスパウダーを重ねてもよいでしょう。その後ポイントメイクに移ります。

      • 1.日やけ止め、化粧下地

        化粧下地は化粧崩れを防ぐ目的で使用されますが、最近では日やけ止め機能を兼ねた製品が主流になっています。肌の赤みを隠したい場合は、化粧下地に黄色や緑色のコントロールカラーを用いると、色の補正効果で赤みが目立たなくなります。カバー力の高いコンシーラー等を厚塗りしてニキビを隠している方も見かけますが、カバー力が高いものは油性で粘性があるため毛穴をつまらせ、ニキビが悪化してしまうことがあります。厚塗りせずニキビを目立たなくするためにも、コントロールカラーを上手に使いましょう。

        図)色の補正
        赤に補色の緑を重ねると灰色になり赤みが消える。赤に黄色を重ねるとオレンジになり、肌の色に近くなる。
        コントロールカラーで補正した上からファンデーション(ペールオレンジ)を重なると、赤みが目立たない。
        ただし、緑は顔色が悪くなることもあるので、黄色の方が使いやすい。
      • 2.ファンデーション

        ニキビがある時は、油分配合の少ないパウダーファンデーションの使用が望ましいとされています。また、肌への摩擦を減らすために、下地や日やけ止め機能がある、伸びの良い敏感肌用のリキッドファンデーションを使用してもよいでしょう。ファンデーション自体に黄色味があるものであれば、ニキビの赤みも目立ちにくくなります。

      • 3.フェイスパウダー

        いわゆる“おしろい”と呼ばれるアイテムです。ファンデーションの上から重ね、肌の色調と明るさを調整するために使用します。また、粉体が油分を吸うため過剰な皮脂によるテカリを抑え、化粧崩れを防止する働きもあります。肌色補正を兼ねた化粧下地やBBクリーム、リキッドファンデーションを使用する場合は、フェイスパウダーで仕上げてもよいでしょう。清潔なパフや刺激の少ない大きなブラシを使ってフェイスパウダーをのせると、肌の明るさや透明感が出るため、「化粧をした」という満足感も得られるのでおすすめです。

      • 4.ポイントメイク

        目元、口元にメイクを施すことにより、隠すためではないメイクを楽しむことができます。ただし、ご自身に合った色を選ばないとかえってニキビが目立ってしまうため、単純に派手にすればよいという訳ではありません。例えば、緑や青色のアイシャドウはニキビの赤色と反対色のため、かえってニキビが目立ってしまいます。

        色選びが難しければ、アイブロウ、アイライン、リップラインで輪郭を強調するだけでも、目元、口元に視線を逸らすことができるため、おすすめしています。

        図)コントロールカラーでニキビが気になる部分を補正した後、ポイントメイクをした場合

監修医師:小林 美和 先生

こばやし皮膚科クリニック副院長

香川医科大学(現:香川大学医学部)をご卒業後、産業医科大学皮膚科へご入局。さまざまな皮膚疾患の予防から治療までトータルな診療を行う。シミ・シワ、肌が敏感なときのメイク法など、女性に多い悩みにも親身に寄り添う診療とアドバイスで患者からの信頼も篤い。TV、雑誌などでも正しいスキンケア方法を発信している。