皮膚科医が想う、秋田美人の秘密
素肌力を上げれば、
秋田美人になれるってホント!?
昔からよく耳にする“秋田美人”。目がきれいで、肌が透き通っていて、髪もツヤツヤで、おしとやかで…。そんな誰しもが憧れる、パーフェクトな女性像を思い浮かべる人も多いはず。
なぜ“秋田美人”という言葉が生まれるほど、秋田には美人が多いのでしょうか?
今回はそのナゾを紐解くべく、秋田県秋田市で「お肌のクリニック」を開業する豊田 知子先生に、秋田美人の秘密についてうかがいました。
2018.08.01
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秋田美人のいちばんの特徴は、
健やかな透明美肌!-
突然ですが、秋田の女性たちがこぞって“秋田美人”と称えらえるのはなぜだと思いますか?
その大きな理由は、きめ細かくて、白雪のように透き通っている肌。すばり、素肌力の高さにあります。
実は、この素肌力の高さには、「環境的な要因」が大きく関わっています。
今回は、紫外線と素肌力の関係に注目してみましょう。みなさま、「光老化」という言葉はご存知ですか?
光老化とは、紫外線を長時間、無防備に浴び続けることで起こる、肌の老化(シミ、シワ、たるみなど)のことです。実は、秋田をはじめとする日本海側は全国的に見ても日照時間が少なく、紫外線による肌への影響が少ないといわれています。私自身、長崎に住んでいた子ども時代は、夏になると海に、プールに…と、外遊びに明け暮れていました。日やけが肌に悪いなんて知る由もありませんから、毎日のように外出しては、紫外線を浴びていましたね(笑)。
それに対して夏季が短く、海に行く機会も少ない秋田の子どもたち。人生の8割の紫外線を20歳までに浴びる、なんてデータもあるくらいですから、秋田の方々のお肌のキメの細かさや白さは、幼少期からの紫外線量に要因しているのではないでしょうか。
秋田美人を突きつめると、つまり、子どもの頃から紫外線に気をつけることが大切ですね。
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子どものうちから紫外線対策をすれば、
未来の肌年齢が変わる!?-
ずばり紫外線は、女性の大敵・老化の原因のひとつ。恐ろしいことに、紫外線は浴びたら浴びただけ蓄積しますから、“子どもの頃からの抜かりない対策”が大切です。
よく「紫外線は真夏がいちばん多い」なんてことばを耳にしますが、これ、ホントに大きな勘違いですから!
実際のところは、真夏の晴れた日よりも5月や10月の晴天の日の方が強かったりするので、春や秋に紫外線対策を怠ると泣きを見ることになりますよ…。また快晴の日の紫外線量を100%とすると、雨の日でも20~30%、薄曇り程度であれば、50~80%程の紫外線は降り注いでいることに…。「雨や曇りの日はケアしなくていい」なんて思って油断していませんか?
そんな失敗を起こさないよう、紫外線対策の具体的な方法をお伝えしますね。一番簡単なのは、日やけ止めを塗ること。自分の好みに合ったものを見つけて、毎日こまめに塗ることが習慣づいたらいいですね。
日やけ止めはローションタイプが人気ですが、塗り拡げやすいので、薄塗りになってしまうことが多いです。
日やけ止め効果の目安となるSPFは、効果の持続時間を示す指標になるのですが、薄塗りだと効果が数値を下まわってしまうことがあります。私も患者さんには、商品毎に推奨している量をしっかり使うよう、お伝えをしています。薄塗りにならないよう重ね付けをしたり、時間が経ったら塗り足したりと、工夫をしてみてくださいね。
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豊田 知子 先生
医療法人三愛会 お肌のクリニック 院長
長崎大学医学部を卒業。九州大学、東北大学、秋田大学での勤務を経て、秋田県秋田市に「医療法人三愛会 お肌のクリニック」を開設。
お子様から高齢の方まで、地域に根付いた親身な皮膚科医として活躍する一方、プライベートでは子育て卒業世代として趣味の料理に時間を割こうと思案中。