皮膚科医が想う、秋田美人の秘密
肌美人になるための方法は、何気ない毎日に隠されていた!?

美しい肌は万人の憧れ。
美肌を手に入れるには、日頃のていねいなスキンケアがもちろん大事ですが、実は何気なく過ごす毎日にヒントが隠されているのはご存知ですか?
今回は、秋田県秋田市で「お肌のクリニック」を開業する豊田 知子先生に、食事や睡眠など、日常生活で気を付けるべきことについてうかがいました。

2018.12.26

  • 美肌の近道はシャワーより、
    湯船につかってリラックス!

    • 日本人は大の温泉好きですよね。温泉につかると、日頃のイヤなことなんて忘れて、幸せな気持ちになるものです。東北地方にも非日常を感じられるような、泉質の良い素晴らしい温泉があちこちに点在しています。
      東北の温泉というとpH(※)が低いのが特徴で、“美肌温泉”なんてキーワードもよく耳にします。有名なところだと乳頭温泉郷がありますね。乳頭温泉は・ナトリウム・カルシウム塩化物といったミネラルが豊富で、場所によっては硫黄成分が多く、泉質も様々です。
      特に硫黄は皮脂を取る効果があるので、脂性肌でニキビができてしまっている方にはよいとされています。
      ただ、長く浸かり過ぎると肌を乾燥させる恐れも……。シャワーで硫黄成分を洗い流したり、入浴後はしっかり保湿を行うなど、アフターケアも心がけてくださいね。

      ※pHとは : 水の性質を知るための目安。溶解中の水素イオン濃度を示しており、pHが7より小さい時は酸性、大きい時はアルカリ性を示します。

      もちろん、毎日の入浴タイムも大切です。シャワーで済ますのではなく、できれば毎日湯船に浸かっていただきたいですね。湯船に浸かることで皮膚がお風呂の水分を吸収し、角層の水分量が増えることが分かっています。

      リラクゼーション効果を高めるためにも、お気に入りの入浴剤を入れるのもいいですね。しっかり保湿したい場合は、セラミド入りの物をおすすめしています。入浴時の温度も大切です。熱すぎる温度は、脱脂して肌を乾燥させてしまうので、少し低いかも?と感じるかもしれませんが、38~40度が適温です。
      特にアトピー性皮膚炎でお悩みの方は、シャワーで済ませるのではなく、ゆっくりと湯船に浸かり、お肌に水分を取り入れたいですね。入浴後はすぐに保湿剤を塗って、水分が蒸発しない状態をつくったらパーフェクトです◎。

  • 睡眠は時間よりも質重視。

    • 肌のメンテナンスには睡眠もとても重要で、そのカギは成長ホルモンにあります。成長ホルモンは文字通り、体の成長や修復、疲労回復に重要な役割を担っていて、寝ている間に肌のターンオーバーが行われます。
      実は、秋田県民の肌がきれいな理由のひとつに、睡眠時間が全国1位(!)というデータがあります。“寝る子は育つ”といいますが、しっかり寝ると美肌も育まれるんですね。
      より質のいい睡眠をとるために、寝る前の飲酒や、コーヒーなどのカフェインを取ることも避けましょう。

  • 体の中から健康を保つことも大事!

    • 最後に、“食べてキレイになる”を実践しましょう!一般的に、肌によいといわれている栄養素は沢山ありますが、玄米やブルーベリーに多く含まれるポリフェノールや、緑黄色野菜に多く含まれるβカロチン、ビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10などの抗酸化作用のある食べ物は、エイジングケアや美肌に効果的といわれています。青魚に多く含まれるDHAやEPAも、善玉コレステロールを増やす成分として有用です。
      とは言え、あまりにも禁欲的な食事コントロールは、逆にストレスになってしまいますよね。それよりもバランスよく美味しく食べて、お風呂でリラックス。そしてしっかり寝て…、この繰り返しで前向きに、健やかに、秋田美人のような素肌力をつくっていきたいですね。

豊田 知子 先生

医療法人三愛会 お肌のクリニック 院長

長崎大学医学部を卒業。九州大学、東北大学、秋田大学での勤務を経て、秋田県秋田市に「医療法人三愛会 お肌のクリニック」を開設。
お子様から高齢の方まで、地域に根付いた親身な皮膚科医として活躍する一方、プライベートでは子育て卒業世代として趣味の料理に時間を割こうと思案中。