皮膚科医に訊く肌悩みQ&A
(肌の赤み編)

誰に相談したらいいんだろう?赤みが気になる肌のお悩みに皮膚科医の先生が答えてくれました。

肌トラブル

  • Q 肌の赤みが気になる時、考えられる原因は何ですか?

    原因の一つに、使用している化粧品がご自身の肌に合っていないことがあります。
    また、誤ったクレンジング方法や洗顔で皮膚を擦ってしまい、バリア機能の低下を招いている方もいらっしゃいます。
    バリア機能が低下し乾燥すると、毛穴が詰まりやすくなりニキビもできやすくなってしまいます。
    紫外線や乾燥、寒暖差に対しても弱くなってしまうため、肌の赤みが目立つ原因になります。

  • Q 皮膚科での治療が必要な赤みもありますか?

    酒さ、酒さ様皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ニキビ、脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎など、皮膚科での治療が必要な赤みもあります。そのような方々も誤ったスキンケアにより、より赤みを悪化させてしまっている場合が多いので、皮膚科での治療に加え、スキンケアを正しく行うことが大切です。

  • Q 肌が赤い時、皮膚の中はどうなっていますか?

    肌の赤みがある場合、血管が拡張しているので見た目に赤く見えてしまいます。
    角層はとても薄く、その下に毛細血管が豊富にあり、そもそも見えやすい場所に存在しています。
    加えてバリア機能が低下し炎症が起こると、血管が炎症を運ぶので更に拡張し、透けて見えやすくなってしまいます。

  • Q 肌の赤みを悪化させる原因はありますか?

    肌の赤みを悪化させる原因は多岐にわたります。
    肌に合わない化粧品、乾燥、寒暖差、ストレス、女性の場合月経周期なども関係しています。
    また、寝不足の場合肌の修復が遅れ、皮膚炎や赤みが悪くなる方も多くいらっしゃいます。
    生活習慣の乱れは、赤みの悪化に大きく影響しています。

  • Q 寒暖差アレルギーの対策はありますか?

    物理的に寒暖差を無くす方法が有効な場合があります。
    スカーフやマスクなどで顔回りを覆い、物理的に外気をシャットアウトするといいでしょう。
    マスクを着用する時は刺激を軽減させるため、柔らかい布やガーゼでできたインナーマスクを1枚挟むと、肌への摩擦が軽減され赤みを抑えることができますよ。

スキンケア

  • Q 肌を擦らないようにするために、気を付けることはありますか?

    アイメイクはチップを使うと摩擦を受けやすいので、ブラシでのせましょう。洗顔も、しっかり泡立てて行うようにしましょう。

  • Q 肌の赤みが気になる時、何をしたらよいでしょうか。

    基本のスキンケアを正しく行うことで、ある程度赤みを落ち着かせたり、悪化させないようにできると考えています。
    肌を擦らず、保湿をしっかり行いましょう。
    また、肌の修復のためにも十分な睡眠をとることも大切です。

  • Q 肌の赤みが気になる時、どのような化粧品を選んだらよいでしょうか。

    化粧品の種類は多く、「一概にこれが良い」ということは難しいです。ただ、敏感肌の方でも使えるような化粧品の中から、ご自身の肌に合う物を選ぶと良いでしょう。

  • Q 肌の赤みが気になる時も、保湿はした方がいいですか?

    保湿は肌のバリア機能を保つためにとても重要です。
    特に肌が赤い時は角層バリアが整っておらず隙間ができ、外部刺激を受けやすく水分も逃げやすくなっています。この隙間を埋めるための保湿は重要です。
    角層バリアが整えば刺激自体も無くなりますので、まずは痛みやチクチク感といった刺激が無くなるまで保湿をしっかり行うとよいでしょう。
    赤みの他に痒みを伴う場合は、保冷剤をガーゼ等でくるみ、直接肌に触れないよう、やさしく当てるのもよいでしょう。

  • Q 保湿の種類と役割について教えてください。

    保湿には3つの種類と役割があります。

    1)ヒューメクタント

    水分を与える

    2)エモリエント

    水分を保持し、柔らかくなめらかにする

    3)オクルーシブ

    肌を密閉し、水分蒸散を防ぐ

    1)は化粧水、2)は乳液、3)はバームやオイルが該当します。肌に水を与え、油で蓋をするのは保湿の基本です。
    特に顔は皮膚が薄いところなので、この3stepのケアが行えるといいですね。べたつきが気になる場合は、特に皮膚の薄い目回りだけでも、オクルーシブを目的としたアイテムで保護するといいかと思います。

監修医師:藤本 智子 先生

池袋西口ふくろう皮膚科クリニック 院長

浜松医科大学医学部医学科をご卒業後、東京医科歯科大学皮膚科にご入局。病院でのご勤務を経て、2017年に東京都豊島区 池袋駅近くに「池袋西口ふくろう皮膚科クリニック」をご開業。
老若男女を問わず、池袋地域の患者さまの様々な皮膚疾患を診療しており、特に汗の疾患を得意とされています。一人ひとりの症状や悩みに寄り添った丁寧な診療を心掛け、未病・予防の視点からもアドバイスを行っておられます。