皮膚科専門医 許先生に聞く！
洗顔する大切さと洗顔の基本術

• 厚塗りメイクは大人ニキビの大敵！

  大人ニキビの患者さんによく見られる厚塗りメイク。しかしながら、メイクが毛穴に詰まってニキビの悪化を招いたり、ゴシゴシこするクレンジングでニキビを圧迫し、肌を傷めてしまったりと、悪循環を招いている場合があります。根本的解決のために、治療薬を外用するほか、保湿剤の土台となる洗顔を見直すことからはじめましょう。

• 皮膚科医おすすめの
  メイク落とし・洗顔料

  まず、メイク落とし・洗顔料の選び方です。メイク落としはスクラブなど刺激成分が含まれていないもの、特に毛穴の奥に詰まったメイク汚れにアプローチできるオイルタイプがお奨めです。メイクはオイル分を含んでいますから、それを浮かせて取り除くことができる点から、相性がいいと考えます。洗顔料は、低刺激でノンコメドジェニックテスト済み※のものを推奨しています。また、洗いすぎは禁物です。乾燥しているのに脂っぽいと悩んでいる患者さんがおられますが、実は脂分をとりすぎると、肌は乾燥していると判断し、脂分をどんどん出して補おうとします。この状態が、皮脂の過剰分泌です。そういったトラブルを避ける意味でも、潤いを保たせるクレンジング、洗顔方法に配慮していく必要があります。

• やってしまいがちな
  "ゴシゴシ摩擦"は肌の敵！

  大人ニキビの方がやりがちなのが、毛穴の詰まりを取り除くために、ゴシゴシとこするクレンジング。特に、少量のメイク落としで強くこすると肌への負担は増し、ニキビ自体を化膿させてしまう恐れがあります。また、クレンジング中の強いマッサージは、その摩擦が肌を傷つける要因であると同時に、手についた雑菌がニキビを悪化させてしまう原因にもなります。肌を傷めないように、あくまでもやさしく、ニキビを刺激しないように意識してください。

• メイク落としはたっぷり、
  洗顔泡はふんわり

  クレンジングのポイントは、たっぷりのメイク落としを使っていただくことです。なぜなら、少ない量では肌を無意識にこすってしまい、ニキビを傷めてしまう可能性があるからです。クレンジングは肌をなでるように、ソフトなタッチで行います。洗顔に関しては、弾力のあるきめ細かい泡をつくり、泡を転がすようなタッチで円を描くように洗い上げます。30秒～1分、長くても2分程度の洗いすぎない洗顔を心がけてください。炎症のある赤ニキビや黄色いニキビを悪化させないためにも、十分泡立てた泡で、圧を加えすぎない洗顔をおすすめします。ニキビ部分の炎症が激しい場合、もしくは痛みが伴う場合は、刺激にならないよう泡を軽くのせる程度を心がけましょう。すすぎの際は、洗い残しの多い生え際や小鼻まわり、フェイスラインは丁寧に、泡が消えるまで1分くらいを目安にすすいでください。脂分がとれた、さっぱりとした感触がえられたら、すすぎは終わりです。ノンコメドジェニックテスト済み^※で、低刺激のメイク落とし・洗顔料を選び、基本にのっとった洗顔を続けることが、ニキビ対策にもつながります。

  ※ノンコメドジェニックテスト済み...皮脂腺の多い背中を利用して、コメド（面皰）ができるかどうかを確認するテストを実施した製品のこと