肌あれに気づいたとき。
最初にやるべきことは、皮膚科に駆け込むことでした。

敏感肌は病気ではありませんが、不調に傾いてしまったときは「肌質だから...」とあきらめる前に皮膚科専門医に相談を―。 そう語るのは、肌あれの総合改善を目指す「銀座スキンクリニック」の坪内利江子院長。原因に合った治療法により、諦めていたトラブルが解消に向かうかもしれません。

2021.04.12

  • 美容皮膚科医 坪内先生に聞く!
    敏感肌のお手入れとメイク術

    • 肌にトラブルを感じたら、
      まずは引き算を

      肌があれたときや調子が悪いときは、+αのケアをする前に「引き算」をすることが大事です。洗顔後にオイルや油分を含む保湿剤だけ塗るなど、引き算をしていればこじらせないところを、たいていの方は化粧水や美容液など複数のアイテムを重ねて、化粧品の力で肌をきれいにしようとします。肌トラブル時は+αのケアが刺激になることもあるので注意してください。

    • トラブルを感じたら、
      まずは皮膚科医に相談を

      「ここ数ヶ月、何をしても肌の調子がよくならない」という患者さんが来院されることがあるのですが、そういった場合は1週間ほどメイクをやめ、治療に専念していただくことをお薦めしています。そうすることで、肌の調子が改善に向かい、結果的に早く再びメイクを楽しむことができるようになるからです。
      また、赤いプツプツが出たときも、化粧水や乳液をやめて軟膏を塗るだけで回復に向かうこともあります。敏感肌はちょっとした刺激であれやすく傷みやすい肌です。ガサガサしたり、 赤くなってかゆみが出るなど、悪化の傾向が見られたときは、化粧品を変える前にまずは皮膚科医に相談してください。

    • スギ花粉の時期はトラブルが増える

      スギ花粉が飛散する時期になると、肌が乾燥する、赤くなるという症状の患者さんが増えます。原因は、スギ花粉のアレルギーはもちろんですが、花粉が付着して外部刺激となり、肌卜ラブルにつながっていると考えられます。目の中が痒かったり、クシャミが出たりするのは、スギ花粉の可能性が非常に高いので、洗顔してしつかり保湿することを推奨しています。 また、外的刺激の影響を受けにくいように伊達メガネをかけるのもひとつのアプローチです。

    • メディカルエステで
      潤いケアという選択

      少し前まで皮膚科というと、“かゆみや虫刺されの治療をする場所”というイメージが先行しがちでしたが、近年はお顔のお手入れを求められる機会も増えつつあります。
      当クリニックでも保険外診療ではありますが、ビタミンやアミノ酸などの美容成分を奥深くまで浸透※(角層まで)させるエレクトロポレーション(※)を導入しています。
      例えば、アトピー性皮膚炎で乾燥がひどい患者さんには、保湿剤、美容成分の順に肌のすみずみまで行きわたらせます。アトピー性皮膚炎の患者さんの中には、ピーリングを好まれる方もいらっしゃりますが、肌のバリア機能が弱くなっているときのピーリングは、ダメージが大きくなることが考えられますので、あまりお薦めできません。
      そんな時こそ皮膚科へ相談に行ったり、美容施術で内側からしっかり保湿してください。

      ※美容領域専用の機器を用いた美容技術のこと。

    • 悩みの解消は正しい診断から

      肌があれやすい、すぐ炎症を起こすなど、トラブルはさまざまだと思います。刺激を受けやすい方は、角質ケアやスキンケア商品の新調など、その場しのぎの方法でごまかすのではなく、皮膚科に行って医師のアドバイスを仰いでください。
      敏感肌だからこその治療も、スキンケアも、すべては「正しい診断」から始まります。早めの見極めこそ、敏感肌を解決する第一歩となるはずです。

監修医師:坪内 利江子 先生

銀座スキンクリニック 院長

日本医科大学卒業後、国内外で皮膚科勤務や臨床研究を行う。帰国後、日本医科大学美容皮膚科外来責任者に着任。2005年、銀座スキンクリニック開設。美容皮膚科医療において、国内外で幅広い臨床経験があり、「一般の方々に美容医療の正しい知識と理解を深め、もっと身近に感じてもらいたい」との想いから、日々の診療の他にも、学会でのご講演、論文発表、臨床研究の受託などを勢力的に行っている。