ニキビは毛穴の病気!
ニキビ予防につながる角栓毛穴ケア

iniksでは、肌悩み解決のサポートができるよう、スキンケアの情報発信に努めております。

2024年月1月24日、ニキビ・毛穴悩みをテーマにした「ニキビは毛穴の病気!ニキビ予防につながる角栓毛穴ケア」オンラインセミナーを行いました。
ニキビは日本人の90%以上が経験するありふれた病気でありながら、医療機関への受診率は10%以下と低く、ニキビができても放置している人が多いようです。また、ニキビとセットで多いのが「毛穴」に関する悩みです。
そこで東京都、武蔵野市にございます皮膚科、吉祥寺まなみ皮フ科 院長の葉山愛弥先生をお招きし、「ニキビは毛穴の病気!ニキビ予防につながる角栓毛穴ケア」というテーマでお話しいただきました。

2024.02.05

監修医師:葉山 愛弥 先生

吉祥寺まなみ皮フ科 院長

日本大学 医学部 医学科をご卒業後、東京女子医科大学病院 初期臨床研修医として勤務。東京女子医科大学病院 皮膚科学講座へご入局後は同病院で多くの臨床経験をつまれる。
2019年に地元、東京都武蔵野市 吉祥寺駅近くに「吉祥寺まなみ皮フ科」をご開業。地域の頼れる肌診断のプロとして、地域医療の向上発展に努められています。

  • ~ニキビができる原因と種類~

    • ニキビは単なる皮膚の病気ではなく、「毛穴の病気」です。
      ではなぜ「毛穴の病気」と言えるのか。それはニキビができる原因にあります。

      ニキビができる原因は皮脂分泌の増加、毛穴のつまり、アクネ菌の増殖が関係しています。
      すべて毛穴の中で起こることなので、ニキビは「毛穴の病気」なのです。

      ニキビができる原因
    • ニキビは、進行具合によって様々な種類があり、それらが混在していることが特徴です。
      まず、皮脂が多すぎたり毛穴の出口がつまったりすることで、毛穴の外に皮脂が出られずにたまってしまう「コメド(面ぽう)」(白ニキビや黒ニキビ)から始まります。その後、コメドの中で常在菌であるアクネ菌が増殖し、炎症が起こります(赤ニキビ)。このまま何もせず放っておくと、炎症後の色素沈着を残し、ニキビあととして残る可能性があります。ニキビあとは病院での治療でも治すことが難しいため、ニキビあとを残さないために、コメドの段階から治療をすることが大切です。

  • ~最新のニキビ治療とは~

    • 数十年前までは、赤ニキビができてから皮膚科を受診することが当たり前でした。できてしまった赤ニキビの炎症を抑える目的で、イオウ製剤や抗菌薬中心の治療が行われてきました。ただ、抗菌薬はアクネ菌の増殖は抑えるものの、毛穴のつまり(コメド)には効きません。このため、赤ニキビが治っても、コメドは残るので再発しやすいことが問題でした。
      現在では、毛穴のつまりを改善する薬(コメド治療薬)が登場し、早い段階かつ根本から治すことができるようになっています。
      また、スキンケアは誰しもが毎日行う行為ですが、昔も今も洗顔については正しい方法がまだ浸透していないようです。ニキビがあるのに1日2回の洗顔を行っていない、肌をゴシゴシこすってしまっている方も多いのではないでしょうか。

  • ~毛穴がつまる原因について~

    • なぜ毛穴はつまるのか。それには性ホルモンが関係しているようです。皮脂分泌は性ホルモンの影響を受けていますが、10代や20代は性ホルモンが活発なために皮脂の分泌量も多く、どうしても毛穴の出口は狭いので、油分でつまってしまうことがあります。
      また、こすることで物理的に角質を毛穴につめてしまうことも。男性の場合は髭剃りを繰り返すことにより、毛穴に角質を押し込んでしまった結果「尋常性毛瘡(もうそう)」という病気に発展してしまうことがあります。
      また、代謝が悪いと本来は垢となって剥がれるはずの角質が剥がれずに、古い角質と毛穴の中で溜まってしまった皮脂が混ざり合い、毛穴がつまってしまいます。

  • ~角栓ができやすい
    肌状態とは~

    • ターンオーバーの乱れ、過剰な皮脂分泌、刺激や摩擦をする習慣、バリア機能の低下、といったことが挙げられます。
      特に、摩擦や刺激は物理的に角質を毛穴につまらせてしまう原因になるため、気を付けたい習慣です。

      また、脂性肌の方は皮脂の分泌量が多いため、毛穴がつまりやすく角栓ができやすいです。
      乾燥によりニキビができやすくなると考えている方は多いようですが、毛穴がつまることでできるニキビは、乾燥が直接引き起こしているわけではありません。
      ただし、バリア機能が低下していると雑菌が増えてしまい、毛穴の中で炎症が起こる可能性があります。

  • ~角栓を放っておくと
    どうなる?~

    • 角栓(毛穴のつまり)を放っておくことは、ニキビでいうところのコメドの状態を放っておくことと、理論上は同じです。小鼻の黒ずみも黒ニキビも、皮脂が空気に触れることで酸化し黒くなっているので、赤ニキビに進展する可能性があります。
      毛穴がつまってしまうと中で雑菌が増え、増えすぎた雑菌を身体が追い出そうとし腫れてしまい、赤ニキビになってしまいます。
      赤ニキビを放っておくと、炎症後の赤みによる色素沈着を残し、ニキビあととして残る可能性があり、治療が一層難しくなってしまうため、毛穴のつまりが気になったら、早めにつまりのケアに取り組みましょう。

  • ~毛穴のつまりを取る/
    つまりにくくなる
    スキンケアについて~

    • 今ある毛穴のつまりを取るには、ケミカルピーリングや酵素洗顔などで、角栓をマイルドに除去する方法がお勧めです。
      初めてセルフケアとしてピーリングを行う場合は、酸が含まれているような、ケミカルなピーリング作用のある洗顔料が使いやすくお勧めです。また、スクラブ洗顔を使用する場合はゴシゴシこすってしまうと刺激になってしまうので、気になる箇所にやさしく馴染ませる程度に使いましょう。

      また、毛穴がつまらない状態を維持するためには、バリア機能を正常に保ちターンオーバーを整え、皮脂分泌を調整し、物理的な刺激を避けることが必要です。
      毛穴のつまりを繰り返さないように、皮脂汚れをとるという意味でも洗顔は1日2回、継続していくことが大切です。

      そして、洗顔後は適切な保湿が必要です。
      使用するスキンケア化粧品は毛穴がつまりにくいことが確認されている、ノンコメドジェニックテスト済み※の表記があるもので、低刺激なものを選びましょう。ピーリングを行った後は特に、ビタミンC含有のものがお勧めです。お肌が酸性に傾いている方が、ビタミンCが入りやすく、ビタミンCで毛穴が引き締まれば、毛穴の黒ずみもできにくくなる可能性があります。

      ※ノンコメドジェニックテストとは「ヒトの皮膚に対し、ニキビの始まりである“コメド”ができないことを確認するための試験」のことです。全ての方にコメドが発生しないわけではありません。

  • ~ビタミンCの作用~

    • ニキビあとの赤みを目立たなくしてくれるビタミンCは、真皮にまで入っていくものであれば、血管拡張を抑える効果が期待できます。
      また、メラニンの産生を抑制するので、特に、紫外線をたくさん浴びてしまった後は取り入れると良いでしょう。
      さらに、ビタミンCはコラーゲンの生成にも欠かせないものであり、毛穴の引き締め効果があります。
      このため、ニキビ予防だけでなく、普段から使っていきたい成分です。
      普段からビタミンC含有の化粧水などを意識的に使用するのもいいでしょう。

  • ~NG!毛穴がつまりやすい
    ライフスタイル~

    • 毛穴のつまりを予防するためにも、1日2回の洗顔を習慣化しましょう。洗顔料は皮脂汚れをとるためにも、必ず使いましょう。
      泡で洗うことがベストですが、もし泡が無くてもこする刺激がなければいいので、なめらかに落とせるものを使いましょう。
      すすいだ後はゴシゴシ拭かず、清潔なタオルでやさしく押さえるようにしましょう。
      洗顔時の水温はぬるま湯でなくてもいいですが、熱いお湯は肌を乾燥させる原因になるので、湿疹があるようなかたは避けた方が良いです。

      また、「毛穴を開かせる」という意味では、運動をして汗をかくこともお勧めです。
      ストレスはニキビの悪化要因になります。出来る限りストレスを溜めないようにしましょう。
      食事についてはバランスよく、適度に好きなものを食べるのが良いです。よくチョコレートがダメという話などを聞きますが、科学的に証明されたものはありません。ビタミンB2とビタミンB6は皮脂分泌をコントロールしてくれるので、積極的に摂取していきたい栄養素です。

  • ~NG!やってはいけない
    毛穴ケア~

    • 爪で角栓を押し出す、という行為は絶対にやめましょう。ニキビ周りの健康な皮膚も傷つけてしまい、結果的に感染を起こし赤く腫れてしまいます。
      また、刺激や摩擦は毛穴に角質を埋めてしまいます。
      汚れを取ろうとゴシゴシこすったり何度も洗ったり、毛穴を開かせようと熱いお湯で洗うことは避けましょう。
      オイルクレンジングで気になる毛穴汚れをとるのも良いでしょう。ただし、皮脂は取りすぎると体がより皮脂を出そうとしてしまうため、やりすぎは禁物です。もちろんゴシゴシこすってしまうのはNGです。また、クレンジングを長時間行うことで逆に汚れを入れ込んでしまわないようにしましょう。

  • ~葉山先生のスキンケア~

    • 先生ご自身もニキビができるタイプで、特に、ストレスを感じた時はニキビができやすいそうです。そういう時は、ピーリング作用のある洗顔料を使ったり、化粧品もグリコール酸や乳酸が入ったりしているものに変えているそうです。その後、ビタミンC含有の化粧品を使い、紫外線を沢山浴びてしまった時には、ハイドロキノンが入っている化粧品を使われるそうです。
      乾燥小じわが気になる時には保湿力のあるものを使いたくなるそうで、肌の調子や季節、気分など、その時々で使用する化粧品を変えることが多いそうです。

      また、葉山先生には中学生の息子さんがいらっしゃいますので、思春期のお子様にニキビができないように気を付けていることや、取り入れているニキビケアについて伺いました。

      男の子はまず顔を洗わないので、洗顔料を使った洗顔から始めます。
      石鹸を泡立てるのは至難の業だと思っているようで、最初から泡で出てくるものが使いやすいです。
      また、ボディタオルは使わずに手を使い、泡で体を洗っています。多くの方がボディタオルを浴室で保管していることが多いと思います。湿った状態が続くと雑菌が増え、ボディタオルのせいで体のニキビが悪化してしまうことがあります。泡立のために使っているものは、しっかり乾かして使用していきましょう。

  • ~視聴者のかたへの
    メッセージ~

    • 最後に、葉山先生から視聴者の方へメッセージを頂きました。
      なかなか治らないニキビで悩んでいる方は、皮膚科で相談してみましょう。

      以上、「ニキビは毛穴の病気!ニキビ予防に繋がる角栓毛穴ケア」オンラインセミナーのレポートでした。正しい角栓毛穴ケアを行うことで、ニキビができにくい肌を作っていきましょう!