アトピー性皮膚炎など、
皮膚疾患がある方の紫外線対策

皮膚疾患があるので紫外線は怖い! でも、日やけ止めも肌の負担になりそうで不安......。 肌がデリケートな人ほど紫外線を避けたいのに、デリケートであるがゆえにその選択肢が狭くなる。辛いですね。 皮膚科に通院されている方は、皮膚科医の指導に従うことが前提ですが、基礎知識として対策を知りたいという悩める大人女子のために、皮膚疾患がある場合の紫外線対策についてまとめました。

2017.07.21

  • 美肌解説

    • アトピー性皮膚炎に悪影響を及ぼす紫外線

      皮膚には、アレルゲンや化学物質、細菌などの異物が体内へ侵入するのを防ぐバリア機能が備わっています。乾燥が強く、炎症を繰り返すアトピー性皮膚炎の肌は皮膚のバリア機能が弱く、刺激物が侵入しやすくなっています。無防備に紫外線を浴びてしまうと、皮膚炎を悪化させることにも! アトピー性皮膚炎の方や、子供の時にアトピー性皮膚炎だった方は、まずはかかりつけの皮膚科医に相談すること。その上で、必要な紫外線対策を行いましょう。

      肌のバリア機能のイメージ

    • 美肌ポイント
      ここがポイント! アトピー性皮膚炎の紫外線対策

      日やけ止めを選ぶポイント

      • ① 塗りやすい
        アトピー性皮膚炎の方は皮膚のバリア機能が低下しやすく、日やけ止めを塗る時の摩擦で、皮膚の状態が悪化してしまう可能性があります。少しでも摩擦を減らすために、のびがよく、塗りやすいものを選ぶとよいでしょう。
      • ② 紫外線防御効果
        紫外線防御効果は、「SPF」「PA」を指標として選びます。「SPF」はUVBのカット効果を表し、数字が高いほど紫外線UVBのカット効果が高まります。「PA」は、UVAのカット効果を示し、4段階の+(プラス)で表記されます。+の数が多いほど紫外線UVAのカット効果が高まります。シーンに合わせて選びましょう。
      • ③ 紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)
        日やけ止めには、紫外線から肌を防御する目的で紫外線防止剤が含まれており、大きく分けて「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」があります。

      紫外線吸収剤:化学反応を利用し、紫外線を、熱エネルギーに変えて放出することで紫外線を防御する。
      紫外線散乱剤:紫外線を物理的に散乱・反射させて防御する。一般に、紫外線吸収剤より肌への負担が少ない。

      関連記事『意外と知らない!?日やけ止めの知識、基本の「き」』を読む

      「紫外線吸収剤」を配合せず、「紫外線散乱剤」のみで紫外線をカットする日やけ止めを「ノンケミカル」と呼びます。「ノンケミカルタイプ」「紫外線吸収剤不使用」「紫外線吸収剤フリー」などの記載があるものを選ぶと良いでしょう。
      また商品によっては、アルコールが配合されているものもあります。アルコールに過敏な方は刺激を感じることがありますので、配合成分にも注意して選びましょう。

      単純に、「SPF」「PA」値が低いものは肌負担が少ない、という訳ではありません。気になる方は、使い始める前に、腕の内側など目立たない部位からお試しいただくことをお勧めします。迷った時は皮膚科医に相談の上、自分の肌に合ったものを選びましょう。

      参照元:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018

    • その他の気になる疾患と日やけ止め

      光線過敏症
      普通では皮膚に変化を起こさない量の紫外線によって疾患を誘発したり、症状を増悪させたりすることがあります。光線過敏症の方は、自分の肌に合う、低刺激でSPF・PA値の高い日やけ止めを毎日使うことをおすすめします。

      日やけ止めにかぶれやすい
      肌が弱く、かぶれやすい方は、日やけ止めをいきなり顔や体の広範囲につけるのではなく、腕の内側などに少量つけて、赤みや痒みなどがないか確認するようにしましょう。

      iniksからのアドバイス

      アトピー性皮膚炎の方は、日やけ止めやスキンケア化粧品を選ぶ時に、「肌にやさしいこと」が絶対条件。皮膚科の先生に相談して適切なアイテムを選び、大人美肌を目指しましょう。

      引用:maruho紫外線対策ハンドブック