意外と知らない!?
日やけ止めの知識、基本の「き」

日やけしたくないから、とにかく日やけ止めを塗らなくちゃ。でも日やけ止めはどれを使っても同じでしょう? そんな「何となく」の感覚で日やけ止めを選んでいませんか? でもちょっと待って!役割や成分をきちんと知っているのと知らないのでは、日やけ対策の効果に大きく差が出てしまうかもしれません。 日やけ止めの基本を知って、安心&効果的なUV対策をはじめませんか?

2017.07.14

  • 美肌解説

    • 紫外線を防ぐ成分は大きく二種類

      日やけ止めには液状・クリーム・乳液・ジェル・スプレー・シート状など、さまざまなタイプがありますが、どのタイプにも「紫外線防止剤」が配合されています。
      紫外線防止剤とは、紫外線から肌を防御する成分。大きく「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」の二つに分けられます。
      「紫外線散乱剤」は紫外線を物理的反射ではね返し、「紫外線吸収剤」は紫外線を吸収して熱エネルギーに変えて放出します。

      紫外線防御以外の特徴として、「紫外線散乱剤」は、塗った時に肌が少し白くなります。
      「紫外線吸収剤」は、塗ったときに肌が白くなりにくいですが、まれにかぶれなど、肌に刺激を感じてしまう人がいます。
      通常、日やけ止め効果を高めるために、数種類の紫外線防止剤(化合物:下記美肌データの表を参照)が組み合わされて配合されています。
      子ども用や敏感肌向けのものは紫外線散乱剤のみを配合しているものが多く、「ノンケミカル」「紫外線吸収剤不使用」「紫外線吸収剤フリー」などといった表示がされています。

    • 美肌データ

      紫外線防止剤の種類とその特徴

      種類 紫外線吸収剤 紫外線散乱剤
      代表的な化合物
      (表示名称)
      メトキシケイヒ酸オクチル
      (あるいはメトキシケイヒ酸エチルヘキシル)
      ジメチルPABAオクチル
      t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン等
      酸化亜鉛
      酸化チタン
      特 徴
      • ●化合物自体が紫外線を吸収し皮膚へ紫外線が届くのを防ぐ。
      • ●特異的な吸収波長がある。(UVB吸収剤、UVA吸収剤)
      • ●溶解しているため皮膚に塗った時に白く見えない。
      • ●まれにかぶれる人がいる。
      • ●粉末が紫外線を吸収・散乱することにより皮膚へ紫外線が届くのを防ぐ。
      • ●酸化亜鉛はよりUVAを、酸化チタンはよりUVBを防ぐ。
      • ●吸収剤に比べると、皮膚に塗った時に白く見える。
      
							紫外線吸収剤
							メトキシケイヒ酸オクチル(あるいはメトキシケイヒ酸エチルヘキシル)ジメチルPABAオクチル t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン等
							●化合物自体が紫外線を吸収し皮膚へ紫外線が届くのを防ぐ。
							●特異的な吸収波長がある。(UVB吸収剤、UVA吸収剤)
							●溶解しているため皮膚に塗った時に白く見えない。
							●まれにかぶれる人がいる。
							紫外線散乱剤
							酸化亜鉛 酸化チタン
							●粉末が紫外線を吸収・散乱することにより皮膚へ紫外線が届くのを防ぐ。
							●酸化亜鉛はよりUVAを、酸化チタンはよりUVBを防ぐ。
							●吸収剤に比べると、皮膚に塗った時に白く見える。

      ※紫外線環境保健マニュアル2020 環境省より

    • 美肌ポイント

      自分に合った紫外線防止剤を選ぼう

      「とにかく白くなるのがイヤだから、紫外線吸収剤配合のものにしよう。」
      「敏感肌だから、紫外線吸収剤が入っているものは避けよう。」など、選び方はいろいろ。
      化粧品は容器や包装にすべての配合成分が表示されているので、自分の好みや肌に合った日やけ止めを、紫外線防止剤に注目して選んでみるのもおすすめです。

      日やけ止めの効果はSPF・PAで確認

      日やけ止めの効果を示す数値には「SPF(Sun Protection Factor)」と「PA(Protection grade of UVA)」の二つが用いられています。

      ●SPF(Sun Protection Factor)
      SPFはUVB防止のバロメーター。紫外線のUVBを、何も塗らないときに比べて何倍防ぐことができるかの目安です。数値が高い程UVB防止効果が高くなります。
      たとえば、何も塗らないときに20分で肌が赤くなりはじめる人が「SPF25」の日やけ止めを規定量で使用した場合、理論的には20分×25=500分間(約8時間)、肌が赤くなるのを防ぐことができるということになります。
      ※肌が赤くなりはじめる時間には個人差があります。また、日常使用では汗などで日やけ止めが落ちることもありますので、計算上の効果とは異なる場合があります。

      ●PA(Protection grade of UVA)
      PAはUVA防止のバロメーター。紫外線のUVAを、どれくらい防ぐことができるかの目安です。効果の度合いが4段階に区分され、「+」の数が多い程UVA防止効果が高くなります。

       PA+     効果がある
       PA++   効果がかなりある
       PA+++   効果が非常にある
       PA++++ 効果が極めて高い

    • 美肌ポイント

      日やけ止めが防いでくれる紫外線は、日やけの原因となるUVAとUVB。UVAは色素沈着や光老化(シミ・しわ・たるみ)の原因となり、UVBはシミ、ソバカスや、肌の乾燥の原因となります。
      くわしくは「今こそ知っておきたい、そもそも紫外線って何?」をチェック!

      関連記事 『 今こそ知っておきたい、
      そもそも紫外線って何? 』 を読む

      iniksからのアドバイス

      ひと言で「日やけ止め」と言っても、その成分や役割、効果はさまざま。
      自分の肌や使用シーンにぴったりのものを選んで、大人美肌を目指しましょう。

      参考文献:
      紫外線環境保健マニュアル2020 環境省
      http://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf